山下さんによるコース解説

山下さん緊張感と爽快感、達成感のある最高に面白い斜里岳登山。ここではその一部と注意点を紹介します。 (でもしっかりした下調べと地図は持っていってくださいね)

斜里岳の特徴は登山靴+スパッツで行けるレベルの沢登り、ということです。本州のよく整備された100名山とは違い、山が「さあ、チャレンジしてみろ!」と言っているようなワイルドさがあります。また渡渉のルートを探したり、先行者が渡るのを待ったりする時間が多く、帰路の新道コースは往路より長いので一般的なガイドブックの所用時間より長くかかるので注意。往復の所用時間は、登山に慣れていて体力のある中高年の方の少人数で早くて6時間ぐらい、10名ほどのツアー登山ですと 平均で9時間ぐらいかかります。

このコースガイドは2010年5月に山下氏が営む「ロッジ風景画」のWebサイトに掲載されたものです。登山開始から下山するまでを31枚の画像で解説しています。左のサムネイル画像をクリックすると大きな画像が表示されます。大きな画像をクリックすると次の画像が順番に見られます。

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梅津さんによるコース解説

登りは沢(旧道コース)を下りは尾根(新道)コースを通るように推奨しています。斜里岳の魅力は変化に富んだ登山が楽しめることで、斜里岳をもっと楽しむことができるからです。 沢伝いに進む旧道は、次々現れる滝との出会いが楽しいルートですが、下りでは滑りやすく疲れた足下ではとっても危険です。復路は上二股から尾根ルートである新道が龍神の池や熊見峠経由の展望が楽しめて良いでしょう。

※このコースガイドは、梅津氏が1998年2月に発刊した「斜里岳〜木の花・草の花〜」のダイジェスト版に掲載されたものです。冊子からの引用になりますので画像などは小ささなどは了承願います。

※梅津氏の登山ガイドは1998年に作成されたものです。現状(2010年)と異なる部分が見受けられましたので、山下健吾氏協力のもと現状と異なる部分を修正し2010年度版としてご紹介することになりました。

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清岳荘

下二股
60分
1番〜12番

登山道は林道のつきあたりからはじまり、沢沿いに右岸左岸と渡りを繰り返します。やがて【1】「入仙洞」という洞屈が右に見えてきます。少し進むと、【2】旧山小屋跡のある開けた場所に出ます。

大人数での休憩はここが良いでしょう。ここから【3】下二股はすぐで、新道と旧道の分岐となっています。分岐点には道標があります。登山道は赤ペンキやピンクのリボンテープが目印となっています。

登山道に入り下二股までの間にも10ヶ所以上も沢をわたる場所があります。 下二股から上二股まではコースに次から次へと現れる滝を楽しんでいくと、自然に高度を稼いでくれ、疲れをを感じさせません。斜里岳の岩は鉄分を多く含み、滑りにくいのが特徴で、わらじや沢専用靴などを必要とせず、危険個所には鎖や【4】ロープが設置されているところもあります。ただし鎖やロープに二人いっしょにつかまると、危険ですのでご注意ください。

下二股の分岐から沢沿いに進むと、水蓮の滝が現れます。ついで旧道唯一の水場を過ぎると、高巻き場があります。さらに進むと溶岩流の上を流れるナメ滝の【5】羽衣の滝、そして【6】万丈の滝と続きます。左岸の鎖がサポートしてくれますが、増水時は足元をさらわれないように特に注意したいものです。

この先、滝は流れの幅を小さくし、階段状の岩場となります。【7】見晴らしの滝、七重の滝、【8】竜神の滝、【9】霊華の滝と続き、やがて沢の傾斜が落ち流れがみえなくなると【10】上二股に出ます。

上二股で新道と旧道がふたたび出会います。ここを超えると、ダケカンバ、ミヤマハンノキなどの低木のトンネルとなります。

ここは急斜面で、降雨時、融雪期に土砂や岩が流れて凹場の道になります。胸突八丁の標識が見えると視界が開け、傾斜が増して、【11】馬の背直下のガレ場の登りになります。ガレ場は落石に注意し、慎重にのぼりましょう。

下二股

上二股
90分
上二股

馬の背
30分
馬の背

山頂
30分
13〜15

南斜里岳への分岐となる【12】馬の背は、見晴らしの良いと休憩場になるところですが、天候によっては風が強く吹き抜けます。南西の風が吹くと新道の沢に風が集まって、馬の背に抜けます。

山頂へは目前の急な尾根を行き、岩礫の登りになり、【14】斜里岳神社のある平らなコブにでます。そこから右側が深く切れ落ちた細り稜線に進み、岩と砂の礫地帯を一気に登ると広い頂にでます。

【15】山頂部は火山活動の最終段階で起きる溶岩ドームでできたといわれます。お花畑もあるやや細長い山頂部。展望にいたっては知床の山並みから国後島、阿寒の山々、大雪山までもが望め、オホーツク海岸へ広がる視野の防風林の景観は道東一と言っていいほど壮大な眺めを提供しています。また、北側は登路からは想像できないほどの切り立つ岩壁になっています。

斜里岳
山頂
上二股

熊見峠
60分

下二股
60分
16〜17

山頂からの下山は往路を戻ります。 途中の馬の背から胸突き八丁では石を落とさず浮き石に注意しましょう。 頂上でガスが発生し、下山方向が解らない時は、斜里岳頂上標識を背にして真っ直ぐに歩いて下さい。すぐに登山道に出ます。 上二股からは南方向の登山道に入ります。ダケカンバ帯の樹林を少し進むと、龍神の池への標識があり、細い道が右へ下っています。 時間と余力があれば立ち寄ってみましょう。湧き水を貯める池は、鉄イオンによって褐鉄鉱床が生まれ【16】「鉄釜」と呼ばれる珍しい自然現象です。 本道に戻ると尾根道がハイマツ帯の中をゆるやかに上がり下がりして熊見峠に出ます。道沿いではハイマツ特有のコケモモ、マイヅルソウなどの植物がみられます。【17】熊見峠で斜里岳の山容や下界の景観を十分に楽しんだ後、急な斜面のジグザグ道を下ると旧道に合流します。疲労した足にはこたえる急坂です。注意して下ってください。